逃げ道をふさぐと勝ちやすくなります
将棋は相手の王将を捕まえるゲーム。
そのために王手をかけますが、それをやりすぎて逆に逃げられてしまった…
皆様もそういった経験、あると思います。
王手は追う手
これは有名な格言なのですが、本当にもっともだと思います。
僕もこの格言を知るまでは、王手ばかりかけていた記憶があります。
ではどうすればいいのか?
それは
相手の逃げ道をふさぐ
という方法です。
この考え方を覚えると、勝ちやすくなると思います。
逃げ道をふさぐ(詰めろと必至)
まずはこちらをご覧下さい。
先手が▲2三銀と打った局面です。
この「逃げ道をふさぐ手」を指されたことにより、後手玉が一気に危なくなったような雰囲気がしませんか?
もしこの銀がなければ△3二玉などと逃げる手があるので、現実に危なくなりました。
なおこの局面、次に
「▲2二金までの詰み」
があり、相手が放っておくと次に相手玉を詰ますことができる状態を
「詰めろ」
と言います。
後手も詰まされるのは嫌なので△2二金と打って、受けることになります。
詰めろのもう1つのパターンを紹介します。
次の図をご覧下さい。
先ほどの図と、後手の持ち駒だけが違う局面です。
この図も次に相手玉を詰ませることができる
「詰めろ」
の状態ですが、今回のケースは詰めろよりも強力な
「必至(必死と書かれるケースもあります)」
という状態になっています。
なお必至とは
次に相手がどう受けても、次に相手玉を必ず詰ませることができる状態
のことです。
具体的に説明すると、△2二歩と受けても、
「▲3二金△1一玉▲2二金」
までの詰みです。
具体的な手順はともかく、必至というものは
「相手がどう受けても受けきれない状態」
と覚えておいてください。
実戦でよく出る必至
ここでは実戦でよく出る局面を使って紹介します。
こちらの図をご覧下さい。
後手玉をもう少しで捕まえられそうな局面です。
皆様ならどう指しますか?
将棋は相手玉を詰ませば勝ち、と考えて▲2二金と王手をかけたらどうなるか?
残念ながらこの手は不正解で、後手に△1三玉(失敗図)と逃げられます。
こうなると2四から玉が逃げられそうで、失敗です。
「王手は追う手」
になってしまいました。
正解は「▲3二金」と控えて打つ手です。
わかりづらい手なのですが、よく見ると次に
「▲2二角成までの詰み」
があり、後手にはそれを受ける手はありません。
つまり必至がかかりました。
この手も逃げ道をふさぐ手で、金を▲2二に打つと1三に逃げ道ができるのですが、▲3二に打つと見事に逃げ道をふさいだ手になっています。
今回の図は簡略化していますが、実戦でも相手の逃げ道を事前にふさぐ手は、好手になるケースが多いです。
ぜひ実戦でも試してみてくださいね。
まとめ
今回のまとめは
・「詰めろ」は、次に相手玉を詰ますことができる状態
・「必至」は詰めろの一種で、相手がどう受けても次に相手玉を詰ますことができる状態
・相手の逃げ道を事前にふさぐ手はいい手になりやすい
です。
「長い詰みより短い必至」
という格言もあり、逃げ道をふさぐ手はプロも推奨しています。
これを機に、ぜひ身につけてくださいね。
このシリーズには続編もあります。
ぜひご一読ください。
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