損をしないことも重要です
前回に駒を取る、つまり「駒得をする」とプラスになるという話を紹介しました。
それと似た話になりますが、
駒損をしない
ということも非常に重要です。
攻めて銀を取っても、自陣で自分の飛車を取られると、トータルではマイナスに…
僕も経験はたくさんありますが、十分に気をつけてくださいね。
取れないときは逃げる手を考える
まずはこちらの図をご覧下さい。
現在△2七香と打たれ、飛車取りです。
この局面ではどうすればいいでしょうか?
まず放っておくと、△2八香成と飛車を取られます。
これは飛車をタダで取られるので、大失敗と言えそうです。
では▲2七同飛と香車を取ってみてはどうか?
香車は取ることができるのですが、この図では△2七同歩成と飛車を取り返えされてしまいます。
そして駒の損得はというと…
(3点(香車))-(8点+α(飛車))=(-5点+α)
となり、駒損になってしまいます。
まずは駒を取ってみるという考えは悪くないのですが、この局面では失敗のようです。
図では▲3八飛と逃げる手が正解。
逃げるというとあまり気が利かないようですが、飛車を取られないための立派な手です。
なお、逃げるといっても▲2九飛と引く手は、香車が利いているので飛車を取られます。
うっかりにはお気をつけ下さい。
駒損を避ける逃げ方
こちらの図をご覧下さい。
図は△3七角と両取りに打たれたところです。
ここではどう指すのが正しいでしょうか?
1つずつ検証していきましょう。
まずは何もしない場合。
その場合は△4八角成と飛車をタダで取られ、失敗。
飛車や角取りになったとき、他によほどいい手がない限りは
「何か対処する手が必要」
と覚えておくといいと思います。
では今度は飛車を逃げてみましょう。
まずは▲3七飛と縦に逃げ、かつ角取りにする手。
気持ちいい手ではありますが、この場合は△1九角成と香車を取られます。
飛車を取られるよりはマシですが、最善手ではないので失敗です。
では次は横に逃げてみましょう。
ですがどこでも同じと判断して、▲5八飛などと逃げる手は、やはり△1九角成と香車を取られます。
今回もうまくいきませんでした。
正解は▲1八飛と逃げる手です。
この手は飛車取りから逃げることに加え、1九にある香車に利きをつける、一石二鳥の手です。
もし△1九角成と香車を取られても、今度は▲同飛と角を取り返せます。
これは角と香車の交換なので、先手が駒得です。
そのため後手は香車を取ることができず、飛車と香車、両方を助けることができました。
まとめ
今回のまとめは
・駒損しないことを心がける
・取られそうな駒は逃げる
といった感じです。
厳密には「逃げない方がいい」というケースもありますが、とりあえずは取られそうな駒は逃げる。
それが普通の考え方なので、ぜひ心がけてください。
このシリーズは続編もあります。
ぜひご一読ください。
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