【将棋】初心者が勝てるための思考法11 八枚落ちから学ぶ考え方

将棋
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八枚落ちからも得られることが多いです

以前、十枚落ちの重要性を紹介しました。

【将棋】初心者が勝てるための思考法10 十枚落ちから学ぶ指し方

ここからスタートしてある程度勝てるようになると、今度は

八枚落ちの壁

というものが登場してきます。
それほど怖いものではないのですが、初心者の方にとっては意外な関門となっているようです。
僕の甥も、十枚落ちは卒業しましたが、八枚落ちでは苦戦しているようです。

そこで今回は、八枚落ちの実戦を元に、将棋の考え方を紹介したいと思います。
十枚落ちと重なるところもありますし、少し高度な点もあります。
そこをしっかり乗り切ることができれば、上達することは間違いないと僕は思っています。

八枚落ちの実戦

まずはこちらの図をご覧下さい

八枚落ちのスタート
八枚落ちの図

八枚落ちの開始時の局面です。
平手の将棋と比べて

飛車、角、香車2枚、桂馬2枚 銀2枚

がない手合いとなっています。
ですが十枚落ちと比べて、今回は金が2枚増えています。
果たしてそれがどう影響してくるのでしょうか。
では、ここからが実戦譜です。

初手からの指し手
△3二金 ▲7六歩 △7二金 ▲6六角
△8二金 ▲9六歩 △7四歩 ▲9五歩
(第1図)

端を数の攻めで攻めてみましょう
第1図は▲9五歩まで

4手目の▲6六角までは十枚落ちと同じような進行ですが、今回は上手側に金がいるため、△8二金と受けることができます。
そのため、すぐに角を成ることができません。
同じように▲9三角成とすると△同金と角を取られてしまいます。

ではどうすればいいのか?
その方法は

1つの攻め駒で攻めて失敗するときは、攻め駒を2つに増やす

ということです。
9三の場所には上手側は金が守っていて、下手側は角が攻めようとしている。
それで失敗するのであれば、攻め駒を1つ追加する。
その手段が▲9六歩~▲9五歩です。
これは

数の攻め

という考え方です。

第1図以下の指し手
△8四歩 ▲同角  △5二玉 ▲5六歩
△2二金 ▲5七角 △2四歩 ▲9四歩
△同歩  ▲同香  △9七歩 ▲9三香成
△7三金 ▲9七桂(第2図)

端攻め進行中
第2図は▲9七桂まで

上手も△8四歩や△2四歩という怪しい手を指してきますが、基本は普通に取っておいて問題ありません。
ただ△2四歩を取ると下手からの攻めが遅くなるということもあり、こちらは取らなかったようです。

取れる駒はまずは取る手から考える

重要な考え方です。
▲9四歩から端攻めを決行し、突破寸前ではありますが、上手から△9七歩という不気味な手が飛んできました。
これは下手にすんなりと「▲9八飛」とさせない意味がある(大駒を使う手は重要だから)のですが、これも普通に取っておいて大丈夫。
ただ1回香車を成って置いた方が得であり、その後に歩を払いました。

第2図以下の指し手
△6四金 ▲8四角 △4二玉 ▲6二角成
△3二玉 ▲8五桂 △6五金 ▲9八飛
△7六金 ▲7八銀 △2三玉 ▲8三成香
△8六歩 ▲同歩  △同金  ▲9二飛成
△8五金(第3図)

桂馬は取られても飛車成りは大きい
第3図は△8五金まで

本譜の下手は角、桂馬、飛車を敵陣に向けています。

攻め駒は遊ばせずに敵陣に進める

これも大事な考え方です。
その傍らで下手も△7六金と攻めてきました。
次に歩を取りながら敵陣に攻めかかろうとしているので、このときは▲7八銀(金)と受けておきましょう。
こう防いでおけば、上手からの次の攻めがありません。

相手の駒を自陣へ突破させない

その後無事に飛車を成ることができましたが、上手に桂馬を取られてしまいました。
この局面で食らうと嫌な手があるので、下手はそれを防ぎます。

第3図以下の指し手
▲4八玉 △5四歩 ▲7三成香△5五歩
▲同歩  △7六金 ▲7七歩 △7五金
▲5四歩 △5六歩 ▲5八金左△1四歩
▲3五馬 △3二桂 ▲5三歩成△4四歩
▲4三と △2五歩 ▲6三成香△3四歩
▲2五馬 △3五歩 ▲同馬  △1五歩
▲5三成香△5七歩成▲同馬  △4五歩
▲4二成香(第4図)

成駒で相手の守り駒の金を狙う
第4図は▲4二成香まで

第3図の局面で食らうと嫌な手は「△5七桂」。
打たれると下手のどちらかの金との交換になります。
そうすると駒損になるので、避けなくてはなりません。
方法はいくつかありますが、▲4八玉と上がっておくのが1番無難で手堅いと思います。
その後は△7六金の局面で▲7七歩、△5六歩の局面で▲5八金左と、自陣突破と駒損を防ぐのも肝要です。

駒損は避ける

攻めに関しては上手からの早い攻めはないので、9筋に成った成香をどんどんと上手玉に近づけます。
途中でと金も作り、すぐに桂馬などと取ってもいいのですが、今回は相手玉のみをロックオンしています。

第4図以下の指し手
△2四桂 ▲3二成香△1三金 ▲2二成香
△1四玉 ▲3三と △4六歩 ▲同馬
△6五金 ▲1二成香△2三金 ▲同と
△同玉  ▲4五馬 △3四歩 ▲2二龍
△1四玉 ▲1三成香△2五玉 ▲2六金
(第5図)まで下手の勝ち

成駒を使って勝利
第5図は▲2六金まで

第4図以下は成駒を寄せて金を取り、最後はその金を使って上手玉を捕まえることができました。
相手に早い攻めがないときは、今回の1局のように成駒(と金や成香がおすすめ)を作って相手玉を狙う。
遅いようですがこれが1番手堅く、基本の攻め方です。
この1局だけでは理解するのは大変だと思いますが、この考えを頭に入れて、実戦で試してみてくださいね。

まとめ

今回のまとめは

・八枚落ちは弱点の端から攻める
・相手が攻めてきたら突破はさせず、駒損も極力避ける
・成駒を作り、それを相手玉に向かって寄せていく

です。
上記のまとめは攻めの基本であり、常に頭に入れておいてください。
実戦で繰り返し指していると、少しずつではありますが理解できていくと思います。

十枚落ちの記事でも書きましたが、駒落ちの上手はあちこちに罠を仕掛けてきます。
今回の実戦譜とは全く違う局面に進めるかもしれません。
それでも今回の考え方を覚えていて頂ければ、十分に対抗できると信じています。
そして白星が増えたら、僕も嬉しいです。

このシリーズは続編も掲載予定です。
ぜひご一読ください。

1つめの記事 その1 駒を成る

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