現在は早指しで勝つことが求められています
将棋の世界、昔と現在ではだいぶ変わりました。
持ち時間に関してもそう思います。
プロの世界でも持ち時間が短縮傾向になっていますが、アマチュアの世界でもその傾向は進んでいます。
ネット将棋に関しては顕著で
・30秒考慮時間1分(将棋倶楽部24)
・10分切れ負け(将棋ウォーズ)
これらが主流になっているようです。
正直、長考派の僕としては厳しい環境下になりました(苦笑)
ただ、それを避けてばかりいると、全く将棋を指すことができなくなってしまいます。
24では15分60秒の持ち時間で指すことが多いですが、いつかは見向きもされなくなるかもしれません。
そのため、日々早指しに慣れる対策も考えている状況です。
そこで今回は、僕が自分なりに見つけた
「ネット将棋の早指しのコツ」
というものを紹介したいと思います。
あくまでも自分なりの考えなので、少しでも役に立てば幸いです。
早指しのコツ
王手がかかりづらい玉形にすることを心がける
まずはこちらの図をご覧下さい。
(必至の図)は、先手が必至をかけた局面で後手番です。
この局面、先手玉は詰まない(はず…)ので、先手の勝ち。
持ち時間無制限の将棋ならそうなりますが、もし切れ負けで残り5秒だったら…
恐らく先手が負けると思います。
先手玉は詰まない(はず…)。
ですが王手がたくさんかかるので、後手はひたすら王手をかけてくるはずです。
後手からは
△8七歩、△7九角、△7八龍…
など、王手をかける手段はたくさんあります。
王手の選択肢が複数あるため、瞬時に完璧に対処するのはかなり難しそうです。
後手の目的は
「相手玉を詰ます」
ではなく、
「相手の時間を削る」
という方針に切り替え、切れ負け将棋ならではの戦略で挑んできます。
これも自玉が王手がかかりやすい状況だったことがたたった、と言えそうです。
ですので極力王手がかかりづらい形を作る。
それを心がけることも必要だと思っています。
次にこちらの図をご覧下さい。
局面は違いますが、こちらも後手玉に必至をかけた局面で、後手番です。
今度はどうでしょうか?
この局面、もし先手が5秒しかなかったとしても、
「先手が勝ち」
です。
今度は時間を削ろうとしても、王手がかかりづらく、具体的には
△8七桂▲同銀△5五角▲8八桂△同角成▲同金…
以下龍を切って8八か8九に金か銀を打つ王手しかなく、5秒あればしのげるはず。
王手が限られていることが大きいです。
こういった「時間を削る」作戦を消すためにも、できる限り
王手がかかりづらい形にする
ということをおすすめしたいです。
終盤に時間を残すために中盤までをわかりやすく指す
まずはこちらの図をご覧下さい。
お互いががっちりと囲い合った、矢倉の将棋で先手番です。
これはこれで一局の将棋なのですが、ここからどう指すのかが意外に難しい…
個人的には
「▲4五歩△同歩▲3五歩…」
と行きたいところですが、がっちりと受けられると意外にやっかいな局面です。
ですが仕掛けの段階で時間を使ってしまうと、終盤で残り時間の心配をする可能性が高くなります。
そのため、特に切れ負けの将棋の場合、がっちりとした組み合いは極力避けるべきです。
ただ好きで指している場合は、もちろんOKです。
そこで個人的に感じたのが、
わかりやすい仕掛けの将棋を指す
ということです。
そこでこちらの図をご覧下さい。
斜め棒銀vs四間飛車の将棋です。
こういった将棋は攻めがわかりやすく、早い段階で敵陣に大駒がいるケースが多いです。
そのぶん終盤で時間を使える、というメリットは大きいです。
相居飛車や相振り飛車は攻めの糸口をつかむのが難しいケースも多いので、
対抗型を指すのがわかりやすくおすすめ
です。
僕が地元の将棋センターに行っていたとき、対抗型だけを指す人がいました。
その人は終盤で時間を使いたいために、攻めがわかりづらい相居飛車や相振り飛車を避けていたのだと思います。
その将棋では持ち時間も秒読みもありましたが、そういったスタイルで長年指していた人でした。
まとめ
今回のまとめは
・王手のかかりづらい玉形にすることを心がける
・仕掛けはわかりやすい形で行い、早めに終盤に持ち込む
・戦型は対抗型がおすすめ
といったところです。
切れ負けの将棋は、無駄に見える王手ラッシュ、玉が完全に詰み上がるまで投了しない。
これが当たり前なので、最後まで気が抜けません。
それだけに王手がかからなければ、王手ラッシュもなく、安心感も増すのではないでしょうか。
わかりやすい仕掛けは、対振り飛車の急戦、相居飛車なら棒銀や早繰り銀などがあります。
これらはわかりやすく終盤まで進められるので、おすすめです。
僕もまだまだ早指しに苦戦している1人ですが、今回の記事が少しでも役に立てば幸いです。
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